1. ROAの計算式
一般的な計算式は次のとおりです。
総資産とは、企業がビジネスを行うために保有している「すべての資産」の合計です。現金、売掛金、棚卸資産、建物・土地などの固定資産、投資有価証券、のれん などが含まれます。
FINANCIAL KNOWLEDGE
Return on Assets:企業が持つ“すべての資産”を使って、どれだけ効率よく利益を生み出したかを示す指標
ROA(総資産利益率)は、企業が保有するすべての資産(現金、設備、棚卸資産、投資など)を使って、どれだけ利益を生み出せているかを測る「総合的な収益性」を表す指標です。 ROEが“株主資本”に対する利益効率なのに対し、ROAはより広い視点で“企業全体の効率性”を見る指標として扱われます。
一般的な計算式は次のとおりです。
総資産とは、企業がビジネスを行うために保有している「すべての資産」の合計です。現金、売掛金、棚卸資産、建物・土地などの固定資産、投資有価証券、のれん などが含まれます。
ROAは、企業が抱える資産の規模に対して、どれだけ利益を生み出しているかを見る指標です。資産をたくさん持っている企業が必ずしも効率的とは限らず、持っている資産に対して利益が少なければROAは低くなります。
ROEは株主資本ベース、ROAは総資産ベースで確認する指標です。2つを組み合わせることで資本政策の歪みを補正できます。
| 指標 | 見る対象 | 目的 |
|---|---|---|
| ROE | 株主資本 | 株主から見た収益効率 |
| ROA | 企業全体の資産 | 経営そのものの効率性 |
ROEだけを使うと“借金が多い企業”が高評価になりがちですが、ROAを見ることでその歪みを補正できます。
ROAが低い=悪い会社、ではありません。業種の特性や資産構造によって自然と差が出る指標だからです。
銀行/電力・ガス/重工業/設備投資の大きい製造業などは資産規模が大きいため、ROAが低く見えるのが普通です。逆に、資産が軽い業種(ソフトウェア、広告、プラットフォーム型等)はROAが高くなりやすいです。
異業種との比較は意味を持ちにくく、同じ業種・似たビジネスモデルの中で比較するのが正しい使い方です。
ROEはレバレッジ(負債)で歪みやすいですが、ROAは総資産ベースなのでその歪みが小さいという特徴があります。「ROA=企業の“地力”を見る指標」と言われるのはこのためです。
単年のROAではなく、3〜5年の推移を見ることで企業の収益性の改善/悪化が分かります。ZaiNaviでは複数年のROA推移を一目で確認できます。
理想的には「ROAが安定して高く、ROEも高い」企業が、資産効率と株主資本効率の両面で優れていると評価できます。対して、ROAは低いのにROEだけ高い場合は借入依存でROEが吊り上がっている可能性があり、慎重な見極めが必要です。
ROAは「ROA = 利益率 × 資産回転率」と分解できます。利益率が高い会社か、資産回転率が高い会社かなど、どちらが強みかを見極められます。
ZaiNaviではROA以外にも営業利益率や売上・資産の推移を可視化し、分解視点で企業の強みを探しやすくしています。
ZaiNaviでは、ROAを以下の観点から分析しやすく設計しています。
これにより、ROA単体だけでなく、“その企業のビジネスモデルの強み”まで踏み込んだ分析が可能です。
本ページは、ROAの一般的な意味を解説するものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。実際の投資判断は、複数の情報を総合的に検討し、ご自身の責任で行ってください。